費用償還義務

費用償還義務

原状回復のイメージ

賃貸人は賃借人が目的物に費用をかけた場合、その費用を支払う義務があります。
その費用の種類は2つあり、扱いが変わっています。
1つは必要費といい、賃貸した物を使ううえで必要な修繕にかかった費用です。 通常の状態にすることは賃貸人の義務なので、賃貸人に支払う義務があります。 賃借人は費用の全額の支払いを直ちに賃貸人に請求することができます。
もう1つを有益費といい、これは必ずしも必要ではないけれど目的物の価値を高める為にかかった費用です。 必要不可欠な行為ではなく賃借人の都合でかかった費用であるため、直ちに全額を賃貸人が支払う義務はありません。 賃貸借契約が終了したときに、賃貸人の選択によって価値増加分または出費額のどちらかを支払えばよいことになっています。

必要費

賃貸人は賃貸物の使用及び収益に必要な修繕をする義務を負っており、たとえば雨漏り等は賃貸人が修繕する義務を負っています。
このような費用を必要費といいます。
賃借物について賃貸人の負担に属する雨漏りなどの必要な修繕費を賃借人が支出したときは、賃貸人に対し直ちにその償還を請求することができます。(民法608-1)

有益費

建物の価値を増加させたり賃貸物を改良するような有益費を賃借人が負担した場合は、契約終了時に賃貸人に対してその償還を請求することができます。
賃貸人は、その価格の増加分か賃借人が支出した価格か、どちらか低い額を選択して支払うことができます。